能登半島地震を受けて義援金や寄附金を検討されている企業様からの問い合わせが多くなっております。そこで、ここではふるさと納税を活用した寄附の方法と税務上の取り扱いについてまとめます。
■企業版ふるさと納税
企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。
寄附金の全額が損金算入されることによる軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されます。ただし、軽減額には法人の所得に応じた上限額がありますのでご注意ください。
寄附金が直接自治体に届くこと、税負担軽減効果により最大限の寄附が可能となることから、当事務所では企業版ふるさと納税をおすすめしております。
※制度の注意事項
・1回当たり10万円以上の寄附が対象となります。
・寄附の見返りとして返礼品や経済的な利益を受け取ることは禁止されています。
企業版ふるさと納税の受付サイト
【石川県】令和6年能登半島地震 被災者支援、復旧・復興のための企業版ふるさと納税を受け付けています
■個人版ふるさと納税
ふるさと納税を活用して、能登半島地震の被害を受けた自治体を支援することができます。返礼品を希望しない寄附をお申込みの場合、お申し込み金額の全額が同自治体に届けられます。
以下のサイトでは、災害支援の寄附の場合にはふるさと納税専門サイトは自治体から手数料を受け取らないこととしています。
・個人の方がふるさと納税を行った場合、確定申告により、その寄附金のうち2千円を超える部分の全額が、①寄附を行った年分の所得税と②翌年度の住民税のそれぞれから控除されます。
・控除適用条件、上限額等は通常のふるさと納税と同様です。
個人版ふるさと納税の受付サイト
■日本赤十字社への義援金
日本赤十字社が受け付けている令和6年能登半島地震災害による義援金については、税務上以下のように取扱われます。
【個人の方が義援金を支払った場合】
当該義援金は、所得税法上の「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となります。
また、地方公共団体に対する寄附金として、「ふるさと納税」に該当するため、個人住民税の寄附金税額控除の対象となります(ワンストップ特例制度の適用はできません。)。
【法人が義援金を支払った場合】
当該義援金は、法人税法上の「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金の額に算入されます。
【日本赤十字社】令和6年能登半島地震災害義援金(石川県、富山県)
■義援金や寄附金を支払った場合の税務上の取扱い
災害により被害を受けられた方を支援するために、被災地の地方公共団体に設置される災害対策本部等に義援金や寄附金を支払った場合の税務上の取扱いや、募金団体に対して支払う義援金が国等に対する寄附金(特定寄附金)として取り扱われるための確認手続等について、国税庁ホームページにまとめられています。参考にしてください。